ぞうさんペーパーができるまで
僕らの冒険が世界を変える
この言葉は「ぞうさんペーパーシリーズ」のスケッチブックの表紙にシンハラ語で書かれているメッセージです。残念ながら、現在は製造中止のアイテムですが、この言葉は今でも私達ひとりひとりの心に残り、けっして消えることはありません。
開発当初の頃の話ですが、ゾウのウンチの再生紙である「ぞうさんペーパー」は開発後の数年間は、正式に輸出入ができませんでした。それは、ワシントン条約でゾウの派生物はすべてにおいて輸入不可能だと、当時の担当通関士を通して日本の経済産業省から通達があったからです。
しかし、ワシントン条約を詳しく調べてみると、もともとゾウなどの絶滅のおそれのある動物を守るための国際条約なのだとわかりました。私達の基本的な考え方とワシントン条約の内容には通じるものが多くあるということを感じ、きちんと説明していけば、いつか政府も理解してくれるものと信じて、商品の開発を断念しませんでした。約1年の間、根気よく経済産業省に通い、交渉をつづけました。そしてスリランカ政府と日本政府、経済産業省の協力により、ついには条約の本部のジュネーブより特例措置をいただけました。
2004年の夏には、スリランカ総理大臣がワシントンのアメリカ大統領を訪問した時、スリランカ総理大臣が私達のぞうさんペーパーで作られたレターセットの詰め合わせボックスを、アメリカ大統領と国務長官にプレゼントとして贈呈することになりました。そして、その様子がAFP通信により世界中に配信され、BBCやABCニュース、デイリーミラーなどのメディアを見た世界中の人達が私達のウェブサイトを訪ねてくれました。
また、2006年にはBBCワールドとニューズウィーク誌が主催する世界的コンテスト「ワールドチャレンジ2006」で、「ぞうさんペーパー」が世界800プロジェクト中、世界一にあたるグランプリを獲得するという、とても嬉しい出来事も起こりました。その後も国内外で数多くのメディアにより好意的に紹介していただけました。このようにメディアを通じてたくさんの人々に「ぞうさんペーパー」のメッセージをお届けすることは私達にとってとても素晴らしく、たいへん嬉しい出来事でした。